造船好学の旅 2009広島 ”呉”

skyex2009-09-26

プロフィール


skyex

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見果てぬ夢を形にするスドリームデザイナーIt is Sdream Designer in shape as for the faraway dream. :yoichi takahashi

広島,呉の市街で突然視界に飛び込んでくる、、巨大な”潜水艦”この圧倒的な”仮想現実的”迫力はしばらく息を呑む光景である。

周りを行き交う車は”深海の魚の群れ”に見えてくる?のが不思議である。

今年は毎年行われる倉敷模型船全国大会にかこつけ、少し足を伸ばして、広島 呉市にやってきた。
かねてより、呉には旧日本海軍ゆかりに地でもあるし、最近できた戦艦大和博物館やこの海上自衛隊資料館を見学してみたいものだと思っていた。それにしても、、、、この街と潜水艦の巨大造形が織り成す光景は、、現代、美術の、、、前衛的表現にも負けない。 場所は海上自衛隊呉資料艦 別名”鉄のクジラ館”と呼んでいる。そもそも、隊員の教育目的で建てられたらしいが、この日はすぐ隣の大和資料艦もあり、シルバーウイークでの観光客でたくさんの観光客で混雑していた。

 この潜水艦は5年前まで現役で活躍していた”あきしお”とよばれるものである。涙滴型と呼ばれる流体力学では低抵抗の
理想的形状をしている。海のクジラも同じような体型をしている、、いや、クジラのほうがはるか遠い太古からこのスタイルを
しているのでオリジナルは”クジラ”である。
この涙滴型というのは英語のstreamlined form からきていて、流線型と同義語である、ユーミンの曲の題名のもなっているので
このほうが通じると思う。流線型に最初に名前をつけたのがドイツ人"ルンプラー"である。彼は飛行機の設計者であったが後に
流線型の車も造った。

トローペンベンツとあるので ベンツの先祖か。
トローペン”はドイツ語で”水滴”という意味である。これを受けて英語ではteadrop 涙滴 と呼んだのが始まりである。
航空機のジャンルでは raindrop "雨滴” とも呼んでいる。
 この涙滴型の優れた抵抗係数を以下に表示する。
やはり桁数は一桁違う低抵抗を示す。

涙滴型の正体が数値でも実証できる。この涙敵型はすべての抵抗を重要視する人工物には採用されている基本形である。

ここで潜水艦の形の変遷を見てみよう。


*最初?に米独立戦争に使われた潜水艦タートルは酒樽を改造した人力潜水艦で文字道理”カメ”の形をしている愛嬌ものである。
流線型とはほど遠い樽型の形をしている。
*次に米南北戦争に使われた9人で漕ぐハンレイという戦闘用の潜水艦である。形は角型であるが一応流線型ではある。
*有名な独Uボートである。この当時はまだ蓄電池モーターも非力でディーゼルエンジンによる水上航行の時間が長かったので
 船型は水上の船の形が基本である。 水中にもぐれば、甲板の大砲が水浸しになる?のが子供のころ気になったものだ。この大砲で商船の横に急に浮上してきて、砲撃して沈めるという作戦を使ったから脅威である。
*次に”涙滴型”のさきがけとなった米国原子力潜水艦”アルバコニア”である。
 これに続く、スキップジャック級で潜水艦の”涙滴型”を典型的なものにした。


この展示している”あきしお”の
 塗装はオリジナルの黒と赤の塗りわけで決して、人目を引くための”テーマパーク”的発想のグラフィックではなく、それなりの理由がある。

基本的にはカウンターシェードという”軍用迷彩”である。
この潜水艦を上空からみると、暗青色の海をバックに上半分が黒の船体は溶け込んで発見しにくい。低深度にもぐればさらに発見は難しくなる。
下半分の赤は別の意味がある。船にとって抵抗を増やす厄介な海の生物”カキ、牡蠣”が船体に住み着くことを防いでいる。
広島はカキの生産地でも有名であるが、、、生カキをレモンで食べる食感は別の意味で”最高の味”ではあるが、、、、お船にとっては流体抵抗を増やす憎き、”最大の敵”なのである。

ましてや潜水艦になると、ソナー(音響)クルーは全神経をヘッドフォンに集中し、敵の動きに欹てる。したがって、抵抗はもとより、水中を航行するときのこの牡蠣ガラがだす、”流体雑音”も気になるところである。
 昔は生物を殺す効果のある水銀の入った”朱”塗料を使っていたので赤色が使われていた。現在は海洋汚染をなくすため、別の物質が使用されてはいるが
赤色は牡蠣が付けば発見しやすい。カウンターシェード上も朱色と海の青緑色は補色の関係にあり、水中でみると減算混色されて、
敵方フロッグマンにはダークグレーに見えて、発見しにくくなる効果がる。

 失礼して、お尻のほうを拝見すると、、

そこには巨大なスクリュウがある。 潜水艦のスクリュウが他の一般的船体に比較して、大きいかは
流体雑音を減らすため、大きな羽を低回転でまわすためである。 
 5枚の通常タイプの形をさも5軸の精密工作機械で研磨したケサゲ加工跡ももっともらしく表現しているが、このスクリュウはレプリカであり、軍事マニアには言わずと知れた暗黙の事項ではあるが、、実際は”ハイスキュードタイプ”と呼ばれる低抵抗で低騒音の
ものが付いている。 各国とも スクリュウの形は最高の”軍事機密”であり一般には公開されていない。もっとも
このスクリュウをみて、本国に報告する亡国の諜報部員などいるはずもないのだが、、。

 ハイスキュードタイプのスクリュウは潜水艦にとっては生命線の”音をなるべく出さない効果をもたしたものである。
通常翼のスクリュウは翼端で急激に圧力変動を起こすため流体騒音をだす。 ハイスキュードタイプのスクリュウ翼は
柳葉のように回転方向に沿って緩やかに後退角を持たせている。 このため、翼端では圧力変動が緩やかになり、
流体騒音が最小に抑えられる。専門家はこのスキュード翼の形状を見ただけで、スクリュウ音が特定できるとも言われている。
したがって、各国海軍ともこの形状は高度な”軍事機密”となっている。 潜水艦造船所の作業工程でもスクリュウにまつわる工程は
ブルーシート”のなかで行われている。 もっともこの露出タイプのスクリューももはや古い推進装置である。
下図は最新米国攻撃型潜水艦”ロサンゼルス”級である。

形態も涙滴型を進化させた、円筒涙滴型となっている、これはICBMの発射キャニスターの搭載量を増やし、かつ
涙滴型よりも低抵抗といわれている。 高速魚雷と同じスタイルだ。

この艦の推進装置は”シュラウド”に覆われていて、”ポンプジェット”と呼ばれている。

中にはプロペラとガイドベーンがあり、プロペラの押し出す水流を修正し、回転渦の少ない、
パイプ状の圧水流を効率良く、押し出す仕組みである。シュラウドの
ダクト効果のため、圧力を高める効果があり、それだけスクリュウ回転数は低くてすむ。
加えて、このシュラウド内面にはスクリュウの出す”キャビテーション雑音”を吸収する”吸音ライナー”が装着されていて
回転雑音を吸収してしまう優れものである。
下図はその構造図である。

もちろん、ポンプジェットの構造は軍事機密で公開されていないので筆者の想像で描いてみた。
インペラーと呼ぶスクリューはダブルスキュード(2段曲線後退角)タイプでそれを受けるガイドベーンも
ダブルスキュードである。
 その周りに吸音ライナーが張られているシュラウデットダクトが覆っている。

この種のポンプジェットはこれからの潜水艦の推進器の主流となるだろう。

更にこのロサンジェルス級にはもう一つ特筆すべき流体力学滴工夫がある。

航空機では抵抗を少なくすることは永遠の課題である。
抵抗にも数種類のものが存在するがここに記す形状は
空力干渉抵抗を減らす工夫であり、今日の軽飛行機から戦闘機、旅客機までの形状には
必ず採用されている。

飛行機に乗る機会があれば翼と胴体の付け根を観察してほしい。

翼と胴体を互いに流れる気流が干渉しあい、狭いところで圧力がたかまり流れを阻害するのが
原因である。これを少なくするため、フィレットと呼ぶなだらかな曲面でつなぎ流れをスムースに
する。

ロサンゼルス”級にはマストの前部にこれを採用している。

水は空気の約800倍の密度があるので水中を航行するこの干渉抵抗をすくなくする
フィレットの効果は大きい。
その後につづく、最近の海外諸国の潜水艦にはこのフィレットを採用したものが多い。
しばらくはこの様なスタイルがふえるであろう。

オット!。オットー離離縁タール!!!!。
流体力学となると目もくれない性格になるので大きく話が離脱したので、、、元に戻すが!!。
いよいよ館内に入ることにしよう!。
館内は海上自衛隊ペルシャ湾での嫌い爽快作業の説明がある。
平和維持活動の意義を十二分にプレゼンしてくれる。


歴代、自衛隊潜水艦の推移と
内部のカットモデルや艦内の居室を再現したコーナーもあって
日ごろ、潜水艦などには目も呉無い毒者のかたには新鮮に写るだろうから!。

一度参拝!?を進める。

次にいよいよ、潜水艦館内に入っていく!!。
艦内入り口直前には、開口部があり、あさしおの船体に直接触れることができた。
コンコンと、たたくと、厚みは計り知れないほど!!!。重厚な船体が指先に伝わってくる。これまでに無い!!。とても厚い構造物と
指先には感じた。


前の人ははやくも”ホールドアップ”の姿勢をとっている。

初めて、潜入する潜水艦であるが、撮影禁止はどこにも無い!。

艦内の構造物や配線、配管でごつごつした赤色照明の

インテリアになぜか緊張感が高まる。

しかし、しばらく行くと、これからは撮影禁止の看板がやはり合った!。。
これからは撮影禁止なので



レポートはこれまでと相成った!!。






<つづく>