ニュージーランド船舶紀行

 ジェット戦闘機体験搭乗で訪れたNZで見かけた
船舶たちを紹介しよう。
でなんで、船なの?と、、、飛行機乗りにいったのに何で?と
言う読者の方も折られると思うので、、訳は、
航空機も船舶も同じ流体力学作用を利用する乗り物なので、
私の”エヤロダイナミズム”のテーマには共通するものがある。
 題して”ニュージーランド船舶紀行”

 NZは日本と同じく海に囲まれた海運国でもある。地形も日本に似ているので親近感がある。
オークランドのホテルから歩いて数分のところにすぐ港があり、フェリー乗り場があり海が見える。
とりわけ、その港周辺には、シーフードはじめ、美味しい店がたくさん並び、、レストラン街にもなっている。

その港で見かけた船を紹介しよう。
 (ラジコン模型船をつくるの参考になりわしないかといろいろ見て歩いた)

働き物のタグボート:典型的なタグボートをホテルから歩いて数分の港で発見!。
推進器はダックぺラかフォイトシュナイダーか?。航跡を見れば判るのだが、、、、
残念ながら、、動いているときに見れなかった。。。

船名は”WAKA KUME” と表記されている。私には大きなラジコンタグボートに見えてしまう。

島へ渡る高速フェリー、いかにも早そうな流線型デザインが良い。船体はカタマランである。その排気菅とエンジン音と航跡から推進装置は
イーゼルエンジン駆動のコンベンショナルプロペラーと判定した。
コンベンショナルプロペラーだとせいぜい速度は30ノットくらいである。

フェリー乗り場の風景(きれいでこのようなものでも絵になる)

高速ジェットボート"アドヴェンチャージェット”(NZ地元のあの有名な”ハミルトン社”のジェットポンプ2基搭載)

 小型船体で強力なジェットポンプを搭載して観光乗客を10人くらい乗せて、猛烈なスピードで河川をさかのぼり、高速でドリフトターンなどスリリングな走行するしろものだ。今度行ったときはこれに乗ってみたい。
NZでは唯一の工業製品だという。(吉村氏)

公園に設置された巨大なアメリカズカップのヨットのモニュメント。
これはかって、競技に出場した実艇をそのままモニュメント化している(下船体の形状は流体力学的にも参考になる)。
船尾のラダー(舵)も楕円翼をしており、流体力学的に誘導抗力を低減する形状を採用している。

下は船体水面下に伸びるセンターキール、翼端にはセンターキールからブレンドされて
伸びるウエイトに繋がっている。もちろん流体力学的に翼端渦を制御して、メインセールが受ける
巨大な風圧からサイドフォースを力学的にベクトル相殺し、ヨットの前進力にかえる
重要な役目を持つものである。

 先端のウエイトの長さは長さ約4m位あり、普通乗用車位の大きさがある。
中身は鉛か劣化ウランの塊?か。
NZランドはアメリカズカップで過去優勝している。
港に停泊しているアメリカズカップ出場艇2隻。

現在は観光客を乗せてオークランド湾内をクルーズする
ツアーに使用されている。

港の近くにあるマリンミュージアムを見学する。

人力ボート(いつか話題になったボート?)オーストラリア〜NZ間横断か?。

カタマランの民族艇の文化史.
ポリネシアではこのような逆三角帆(クラブクロウ・セイル)がアラブより伝播され
発達した。この帆の形式は向かい風に強く風上に向かって走ることが可能(つまり流体力学的には
翼の揚力の成分を推進力に偏向する)なので
この地方に吹く貿易風を有効に利用できた。
 カタマランやトリマランといった副胴を持つ形式は横風以上の向かい風のサイドフォースを
相殺する目的で発達したのである。だから、この時代形式はまだセンターキールが発明されていない。

ポリネシアでカタマランが発達したのは風の有効利用のためである。
 サイドポンツーンとつなぐアームに網を張り、甲板面積を増やす工夫を
したのは現在のトリマラン、カタマランの原型の始まりである。
蒸気エンジン:かなり初期の形式のようだ。ミキシングレバーは逆転装置か。

ヨットの線形モデル群:
優れた性能を持つ流体形状は形を模型で伝えているのか。

船大工の道具

(一般大工のとは形が違うのがあるが、右下のドリル(日本ではボウトウと呼んでたBOLTの訛りか?)
 右下のくりこ(手回しクランクドリル)は”宮大工崩れ”の私の父が使っていたものと同じである、懐かしい!)

アメリカズカップの最新モデルの解説と実物艇の展示
館内の1フロアーいっぱいに展示している本物リアルサイズの
カップ艇である。この画像ではその巨大さは伝わらないが。
長さはおよそ30m越えか。

巨大なセンターキールの翼端バルジとウエイト

 流体力学的に翼の揚力で帆のドリフト偏流を打ち消す工夫をする翼を持っている。
それにしても、アスペクト比の大きいグライダーのような翼は誘導抵抗を少しでも減らす工夫である。
まるで巨大な鯨かなんかを想像させる。炎のグラフィックは機能的に何も意味を成さないが、、、、
 (この部分の形はかつて、競技中、秘密のベールに包まれていた。それだけ流体力学的に重要なのだ)

ヨットの最新材料:カーボンプリプレグとノメックスハニカムコアのサンドイッチ構造(最新鋭ボーイング787と同じ素材)

*自分でヨットをデザインできるCADシュミレータのブース。

 船の形状寸法、帆の形状高さなどのパラメーターを自分で設定しデザインでき、
それをすぐ、仮想的な水面の中に浮かべて、走行性能を確認できる。

 いろいろ、数種類わざと形状を変えて、いろいろためしたが、、
それぞれ、違う走りかたをした。流体力学的にも引き波の状態の再現
などCG的に科学的に再現されており、、、ウーン!!
大変良くできている!!!、思わずうなってしまった。このCAD欲しいな!。
 結局、この流体力学シュミレーションブースで30分以上もハマってしまった。
ほとんど、、病気だ!!。

ミュージアムの隣接の船着場。この船着場を見下ろすようにカフェがあり、ランチやビールを楽しむことができるようになっている。

小型蒸気船(可動状態で乗船できるみたいだ)基本的なスタイルしているのでラジコン蒸気船の参考になりそう。
”PUKE スチームランチ”とある。

ところ変われば品変わるか、船の色やキャビンの形もどこか洋風?である。
マストの上のレーダーには”FURUNO"のロゴが、、、フルノのレーダーはデファクトスタンダードか?。とにかく海外でも良く見かける。

それにしても、、船着場の海水面の色がエメラルドグリーンで大変キレイなのには
感心する。まるで染料で着色しているようにキレイ。(どこかの国の灰色の海水面と比べ、、、)海水の成分がちがうのだろうか?。(画像処理で色修正なんかはしていませんよ!。本物の色です)

港を歩くと、、大富豪???の豪華ヨットが競い合うように係留されている。

おそらくは一隻数百億から1っ千億円位か、、、値段は想像できん!!!。
コーディネーターのY氏いわく”ワルイことしないと手に入らない”代物だと、、、オッとトト−トッ、、、、、、!。
まるで、、、海に浮かぶ大富豪の自家用ジェット機のようである。

そのような、”俗汚ロジー”は別として、、、
流体デザイン的には大変きれいなフォルムをしている。つまり、下は水の抵抗、上は風(空気)という密度差800倍も違う流体流れを
うまく捕らえ利用し、効果的に走行エネルギーに変換するため追求洗練された”理想のかたち”である。

港の一角にある公園:コンテナに色を塗り、いすを並べた
だけなのに、、、であるが、、、どこか”絵”になる、、通路のグラフィックとあわせ、公園のデザインセンスが光っている。

どこかの国もこのようなセンスは見習ってほしいな、、、、。

帰りに寄った港周辺レストランで夕食。
レストランのドアノブは”包丁”がモチーフのユニークなもの。こういったモチーフにも
シェフの”心意気”が伝わってくる。

港のアメリカズカップ艇をバックに最高の席である。夏時間で夜7時過ぎなので空はまだ明るい。
 やはり、海シーフードをメインに、、、、。
ビールは”ストレンラガー”というNZ国産である(豊富で良質な天然水で作られているという)。
これが美味い。
ワインもNZ産”ミュラートゥルガウ”。今日はお船におぼれたが、お酒にもおぼれてしまいそうである。
メインディシュはこの日は ツナのステーキ。 デザートはチョコの、、、、???忘れた。

ほかに”グリーンマッスル”というムール貝を蒸した料理はワインと会って美味かった。
 (食べ方は貝の片方の殻で身をすくって食べる。これは美味しくて、、ビールと合い、、 いくらでもいける)
他にラム肉(子羊)の骨付きステーキ、新鮮牡蠣など、、、NZの食べ物も大変美味しかった。ご馳走さんです。

いやはや、ニュージーランドは”海運王国”でもある。