3Dプリンター製 ジェットエンジン

3DP製ジェットエンジン

世界3大ジェットエンジンメーカーのGEが
 3Dプリンターで作るジェットエンジンモデルをネットで公開しているという。
本物の話か?!と思ったら、、誰もが入手できる模型の3DPデータの話ではあるが、、、。
当方40数年にわたる、ジェットエンジンマニアでもあるので、、この話を聞捨ててはは沽券にかかわる!と思い、
 早速アプローチしてダウンロードして、拙宅の3Dプリンターで出力して組み立てて見た。

さすが、、、本家ジェットエンジンメーカーのものなる模型である。
構造と仕組みが良く理解できるようにカットモデルにしている。

 同社が誇る、、最新鋭のジェットエンジン*GEnxを手本としているらしき模型は
大変良くできているのに感心。*GEnxはボーイング787はじめ、現在の先進旅客機に搭載されている高効率、低燃費の優れものである。
 フロントの巨大ファンはダブルスイープ後退角を持つ曲線が見事再現されている。
低圧、高圧圧縮機、燃焼室、高圧、低圧タービン翼に至る、断面形状の変化は
 高バイパスターボファンエンジンの特徴を余すことなく表現しているのには感心する。

ただ、翼列の各翼型形状は少し、厚みがあり、コンプレッサーとタービンの段数が間引かれているが。
正確な再現とは言えないが、、 そこは模型として、3DPで成型できる形状に割り切ったことと、、許してあげよう。
 
ジェットエンジン構造を学んだ手前、、、少し気になるところはコンプレッサーとタービンの間にあるガイドベーン翼列がキットになかったので
 当方の3DCADで追加設計し追加した。(赤い部品がそれだ)

GEといえば、このガイドベーンを可変ピッチにして、コンプレッサーストールを防止して、ジェットエンジンの飛躍的な性能を向上させたメーカーとして有名だ。 そのガイドベーンを省略するのは、いかがなものか。

それと、他にも気になる点が発覚した!!!!。
フロントファンのガイドベーンのピッチが逆ではないか!!!。
 なんとそれに加え!!。タービン翼列のピッチも逆ではないか!!。世界に誇るジェットエンジンメーカーGEが公開したモデルとしては基本的に間違っているのは惜しい限りである!!!。空気力学的、流体力学的に、、つじつまが合わないのである。
 つまり、この模型の翼列ピッチでは、、、燃焼室で生じた高温高圧のガスの反動を受けた一段の高圧タービン回転力はエンジン、つまりフロントファンを逆回転させてしまい、いきなりッ逆噴射状態!となるのである。
  模型といえども基本的原理原則を無視したこのエンジン模型では正しい空気力学を教えられない代物であるのは何とも残念である。
 GE社のサイトの説明では、GEnxは2軸スプールになっていて、高圧コンプレッサーと高圧タービンを別の軸にして、他の翼列とは逆回転させ、回転モーメントを相殺していると説明をしている。
この模型はタービン翼列だけが逆ピッチになっているのでその話とも一致しない。
 単純化した模型の1方向回転モデルではないかと割り切って考えても、あえてタービン翼列だけを逆ピッチにした意味が良く分からない。
たかが、模型の話ではあるが、、されど模型である。
 ま!。それにしても、この様な模型3DPデータがどんどん出てくれば、、当方が目の黒いうちに、、、
やがて、、、家庭用金属3Dプリンターが一般化して、このようなジェットエンジン模型が
作れるようになることを願って病まない。
ジェットエンジンマニアとして、、尽きない夢の一つである。