LCS2 進水式

約1年あまりの工期を終えて、我が米国沿海域戦闘艦LCS2がついに進水式を迎えた。
トリマラン船体という新しい形式の高速船形に魅かれて、ぜひ作って水面を走らせて見たいという
興味から、約1年の歳月をかけて完成させた。 


 最新鋭の戦闘艦ともなると情報量は少なく、数少ない不正確な図面やWEBで探した画像を頼りに
あとは想像力をたくましくして、3DCADに向かい3ヶ月くらいかけてデータを完成させた。
下は実船

 トリマラン船体には3つの細長い船体で全体の浮力を分胆し、それらの船体から出る曳き波が互いに
干渉しあい抵抗を打ち消すという優れた流体力学的特徴がある。

 もともとはポリネシアの海洋民族は知ってか知らずか、、、手漕ぎの釣り船に古くからこのトリマランを採用していた。
それにしてもこのトリマランはステルス形状と相まって、船というより、スターウオーズに出てきそうなどこか
宇宙船を感じさせるから不思議である。
トリマランには3つの船体が支える広い甲板が取れるという特徴もあり、この沿海域戦闘艦のように、陸地の近海で
種々の作戦をこなすために必要な航空甲板を確保できるメリットもある。
 実艇はガスタービン駆動の4基のウオータージェットで47ノットの速度記録を達成した。
そのスピードを模型船でも達成したいと、実物を忠実に再現した4つの小型ウオータージェットポンプを
オリジナルで設計し、アルミ合金を削りだし、インペラーも完全な手作りで精密なすり合わせ加工をして製作、搭載している。

 また横揺れを防ぐジャイロセンサー駆動のフィンスタビライザーも再現した。
 そんなこんなでトリマランという3つの特異な船体を製作するのもそれなりに3倍の時間が製作には掛かった。また、飾り物と違い、ラジコンモデルにするためには、メカニズムの搭載やバッテリー交換やメカニズムのメンテナンスには必ず開口部が必要になる。
 本物の持つステルススケール感を損なわずそうした開口部を考慮した用件を満たすためには、工夫が必要である。こうした、構造を具体的に検討するには3DCADが多いに役に立った。あれこれと案をめぐらし、構想を
バーチャルで瞬時に再現できるので設計が多いにはかどる。

 このLCS2にはステルス形状を利用した巧みな船体を分割し、メンテナンス性を考慮した分割構造を採用している。
さらに実物がアルミ合金製の船体で、アルミの自然腐食を利用した、独特のカモフラージュをもっている。この素材感を塗装で表現するため、いろいろ思考錯誤し、ついに4層塗装構造で実物素材感表現に近づけた。
 水性、や油性、アクリル、アルミ粉などを複数層塗装したので乾燥に大変時間が掛かった。


 4つのジェットポンプは4つのブラシレスモーター、4つのスピードコントローラー、4つのLi-Poバッテリーと何でも4基必要!!!!でそれなりに手間の時間、それに配線はまさにスパゲッティー状態となっている。
 さて、初進水式には多少のトラブルあるも、4基のブラシレスモーターの共鳴音がガスタービンサウンドのように響き、
4つのジェットポンプから噴射するパワーはトリマランというスピード船型と相まって、実物の47ノットのスピード
再現を彷彿させる航走を実現できた。

 以下はそれを実写したYOU-TUBE動画をご覧あれ。
http://www.youtube.com/user/gasturvin?gl=JP&hl=ja