2つの航空機座席 2type aircraft seats

Ejection seat

2つの航空機座席
昨年、10月に中部国際空港で開催された日本開催の”2012国際航空宇宙ショウ”が開催された。
4年ごとのオリンピックイヤーにあるので航空マニアの私には情報収集としては貴重な機会である。
 今回、エキシビジョン会場で貴重な”2つのタイプの航空機座席”に座ることができたので紹介しよう。

1つは旅客機のファーストクラス座席である
 JALスーパーシート”プレミアム”である。普段の小旅行では値段的にもチョイと乗るわけにはできない座席ではあるが、

  JALパンフレットで謳われている、セミ個室タイプの完全にフラットリクライニング可能な代物である。
座ってみると、左右を貝殻が覆うように緩やかな壁になっていて、しかも隣合う座席は少し前後にずれているので、隣の人とのプライバシーは
かなり、保持できるのが大変良い。これならば、トイレに行くにも、気兼ねなくいけるだろう。N700系新幹線も座席がこのようにセミ個室タイプにならないかなー!。
 座った感じもすっぽりと包まれる感じだ。

座席角度もフットレストの位置もタッチパネルで自由自在である。
さらに売り物のスーパーフラットタイプなので、
座ったまま、完全に体を水平にまで可動できるのが特徴だ。 散発屋さんのイスもかなり、フラットになるが、、
こちらは、完全にフラットになるのだが、、、しかし、、なんだか、手術ベットに寝かされたような、、気分になってしまう。

 これは、良いのか、ワルイのか?、まあ、長時間の夜間フライトではかなり、疲れ度は違ってくるだろう。
航空医学的にも人間は寝そべった形がもっとも負担が少ない。
 スペースシャトルや宇宙船では打ち上げ時にかかる強烈なGを軽減するため、イスに座って、心臓が地球の地心線に対して水平となる姿勢を採用している。



もう一つは、あのジェット戦闘機のコクピットの座席である。
米国の次期戦闘機のF35(次期航空自衛隊戦闘機機)に搭載されている
 イギリス製マーティンベーカーエジェクションシートMK36だ。

 この座席はすでに言うまでも無く、、”凄い座席”である。言うまでもなく、チョイと乗る、、わけにはできない座席である。
機能的にはある意味、”高度な生命維持装置”といっても過言ではないだろう。
 パイロットが地上にある戦闘機に乗り込んだときから、それは既に作動を開始するようになっている。
つまり、地上待機中に火災などの異常事態が起こった場合にも緊急脱出レバーをひけば、即座にロケット噴射によって、
上空150mまで上昇し、パイロットをパラシュートで地上に安全に降り立たせる代物である。


 もちろん高度10000m以上の航空において、いざという場合には、レバー一本で
風防ガラスをべイルアウト!し(破壊)、緊急足締め、無線通信、酸素マスクの切り替えをした後、ロケット噴射が作動し、安全な機体の外に脱出する。
 酸素の薄い航空に環境が変わっても装置の酸素ボトルから呼吸を確保し、安全な高度まで座席に着座したまま予備パラシュートで降下できるようになっている。
機体が高度の低い背面状態にあっても、脱出した座席は姿勢制御され、メインパラシュート降下に必要な高度まで自動で獲得するようになっている。
 呼吸が確保できる3000m以下の安全な高度まで下がると、パイロットは座席から切り離され、メインパラシュートが開く。
座席にはサバイバルキットがセットされていて、海上ならば、着水と同時にライフラクトが自動展帳され、緊急信号ビーコンを発信し始める。
 パイロットはパラシュートを操縦して、先に着水、着陸した座席めがけて、降下する。
サバイバルキットには、信号用手鏡、非常食料、真水生成器、サメ忌避剤、ツリ道具などが準備されている。
 イギリスのマーチンベーカーは射出座席の老舗である。
信頼性が高く、ベトナム戦争では数千人のパイロットの命を救ったと言われている。

 座った感じは、、6点シートベルトで固定され、さらに、脱出時に足を座席に締め付ける緊急足拘束ベルトを装着、ぴったりと座席を体が
  一体となる。手足の自由度はあるが、まるで、繭の中に入ってような、安定感がある。
 おまけに、高Gのマニューバーに耐えるため、座席は後方に20度ばかり、傾斜している姿勢となる。
それにしても、従来のモデルと比べ、随分小型化、コンパクト化されている。


 JALスーパーシートは10分ほど、順番待ちすれば、、座ることが可能だったが、、、
このジェット戦闘機の射出装置はそうはいかず、、、、
  もともと民間人など相手にしない”代物”なので、、、、説明員に声かけても、、、、、怪訝そうな顔を
されて、、、、しまい、、迷惑そうな顔で応対されて、、、(一般民間人には座らせなーい!)といった感じ!。
 そこは、マニア根性!、この機会しかない!と思い、 説明員に、、私は40年来の航空マニアであり、
ジェット戦闘機の射出座席は熟知している。この機会に自分で座って体験をしておきたいと、、、、頼みこんで、やっと!!!座らせてもらったのである。

いやはや、何事も目的を達成するにはそれなりの”マニア弩力”が必要である。