ニュージーランド；航空紀行ー３
ニュージーランドには航空マニア垂涎んものの博物館もしっかりあることを
記しておこう．
場所はオークランドの南東の方角にある”タウランガ”という町である．
コーディネーターの吉村氏の薦めもあって，このタウランガに行くことになった．
もともとはニュージーランドでの夏の避暑地としての地域であるらしい．オークランドや他の都市をつなぐエヤライン
もある．
オークランドからは車で３時間くらいかかるので，延々と続く大平原の中を車で走る、、ちょっとした小旅行であった．
タウランガ空港：地方都市空港なので、、日に数便の定期旅客機があるのみなので
いつもは小型機が時折離発着するのどかな空港である。
そのタウランガ空港に併設して，タウランガ航空博物館がある．
なかには売店もあり，記念品や飛行機関連の小物などを販売している．
中の展示品は歴史的なものから，ニュージーランド空軍払い下げの
レストア途中品までかなり豊富に収集してある，航空機だけでなく，
対空機関銃や魚雷まで展示してあるのでじっくりみるには
それなりに時間がかかるようで充実している．
いきなりお出迎えするのは
ニュージーランド空軍で使用されていた
マクドネルダグラス A4スカイホークである。
この機体はNZ空軍で使用されていたものの払い下げ品である。
機体にはロービジビリィティタイプのキウイマークが入っていた。
この機体は米国マクドネル製である。
本来艦載機なので沈下率の高い衝撃にたえるため脚柱は頑丈につくられている。
セミデルタの主翼に水平尾翼を組み合わせ、デルタ翼の超音速の飛行性能と着艦時のピッチをコントロールし低速空力
をカバーしている。
主翼には全幅スラットが付いている。スラットは高迎え角時の主翼の失速を
防止する役目がある。
それでも、着艦時には予想以上の向け角が必要らしく、さらに失速防止にためにボーテックスジェネレータが
設置されている。
スラットは円弧状にはりだすため、ビームは円弧になってスライドして伸びる構造がよく判る。
P40カーチス：これも旧NZ空軍で過去に使用していたようだ。
もちろん飛行可能な状態と見た。
次にあの”デハビラントバンパイア”のレストア部品がおいてある.
中学時代にこのバンパイア戦闘機が出てくる英国映画”超音ジェット機”に
出てきて，私のめにはジェット戦闘機の原型として焼き付いている・
こうして見ると以外にこぶりな機体で操縦席はすごく狭く感じた．
胴体は半分に分解されているので輪切り状態である。
燃料パイプ、カン型燃焼室、それをつなぐ火炎伝播菅、第１段タービンに向かうノズル形状など推力1,225kgのデ・ハビランド ゴブリン 1
ジェットエンジンの構造がよく判る。
ジェットエンジン開発初期の推力の乏しい性能条件下にあっては，すべてが最小重量で済まさなければならない
という極限設計のためである。
そのためにジェット排気管も短小にして、ダクト損失を低減するため、
尾翼は主翼から伸びた２本のビームで支えられている。この形式はしばらく、英国ジェット戦闘機の基本形となった。
ホーカーハンター ホーカーシドレー社製
この機体はコクピットの中に座ることができるユニークな展示である。
中に入ると、ぎっしりと前面に広がる飛行計器が埋め尽くしている。
それには圧倒される。
コクピットは大変せまく、座っていると、、オイルの臭いがして現役のころが
よみがえって来る。当時のパイロットは過酷な環境で
ジェット戦闘機を操縦していたことがダイレクトに伝わってくる。
ロールスロイスマーリン エンジンの単体展示
ほとんど新品同様の綺麗なものだ。さすが戦勝国。
米国海軍カタリナ飛行艇：レストア待ちの胴体を天井展示している。
映画”トラトラトラ”に出てくるのはもっと大きく感じたが
こうして、近くで実物を見ると、以外に小さく感じる。
屋外展示のF86Fセーバージェット戦闘機
屋外展示のセスナアグワゴン（農薬散布専門の機体）
雑誌なのでよく見ていたが実物を見るのは初めてである。
特徴ある翼端形状；ドループさせて、翼端巻き上げ気流を制御し、低速度域での誘導効力を減少させる工夫をしている。
デハハビランド ダブ ターボプロップ旅客機
古いリンクトレーナー、
初代マーチンベーカー射出座席の原型１号機
左はWW2時代の偵察用航空カメラである。
古い空港用消防車。どこか絵になる車である。
対空機関砲 ビッカース１２．７ｍｍか。
MK46 短魚雷 1960年製
]
２重反転スクリュー、シュラウドリング、動翼の構造がよく判る。
などなど、、、、ここでも思わず、、時間のたつのを忘れそうになってしまった。
マニアには１日いてもおそらく飽きは来ないように展示品は盛りだくさんである。
航空王国”ニュージーランド” FLAP UP
